「なあ虹子」

「何?」


「来週末、二人で出かけようか?」

えっ、

どうして?

つい身構えて、視線で訪ねた。


「もうすぐバレンタインだし、たまには二人で出かけるのもいいかなって」

「そうねえ。で、どこへ行くの?」

「食事とか?虹子が行きたいところならどこでもいいよ」

行きたいところかあ・・・

あっ、

「別荘は?」

「別荘って、うちの?」

「うん。近くの美味しいお好み焼き屋さんがあるのよ。きっと哲翔も気に入ると思う」

「お好み焼きねえ」

「それにね、ケーキ屋さんもプリンが美味しくて。哲翔に食べさせたいなって思ってたの」

これは本当。

シンプルで甘すぎないプリンは哲翔も気に入るはず。