ヒデさんは象のジョウロを置くと、
マジマジとプチトマトを見つめる。


「もうすぐ収穫ですか?」


『あと3~4日という所ですね。』


「俺にも食わせてくださいよ。」


『申し訳ございません。
それは恐らく出来ません。』


「おいおい・・独り占めする気かよ?」


『いえ、勿論神野くんとトマトパーティーを催すつもりでしたが・・・。』


「・・?」


『神野くんには明日から、泊まり込みで群馬へ行ってもらう事になりそうです。』


「・・・ひょっとして・・・・?」


『平松刑事部長からメールが届きました。
新しい事件です。』


「今度は群馬のマダムのネコを探せってか?」


『いえ、神野くんの言い方を借りると、
今回は“どうでもよくないヤマ”です。』