「ほら、あず!湿気た顔しない!次、移動だよ!」



数学の授業はぼんやりと聞いて、真面目に授業を受けられなかった…。




「あ。そうだった」



確か音楽だ。


私は急いで準備した。


「行くよ!」




「うん!」





ドドドドドドッ


何かが迫ってきているような…とても勢いよく。





「待った待った!俺も一緒に行く!」


尚斗か。

「はー?さっき逃げたくせにー」


「あ、あれはあれだ!」


あ、誤魔化してる。あさっての方向むいてるし。

「意味わかんないわ!!」


またプンプンする雪ちゃん。



「ふふっ」


尚斗と雪ちゃんのやり取りに笑ってしまった。



「ほら!あずに笑われた!」

「それは俺のせいじゃない!」


「あずの笑顔見れたから許す!」

「それはこっのセリフだ!」



お互いケンカしてる口調なのに仲直り?


??



「二人とも何言ってるの?」




「あずは天使ってことだよ」



「尚更意味わからないよぉ」




「梓の笑顔は貴重だからな!見せた男達には気をつけろよな!」



雪「それをお前が言うな!尚斗が1番危ないわ!」





尚斗「なんでー!!」




雪・梓「「話す距離が近いから」」




尚斗「それ関係あるー!?」







まぁ、こんな感じでワイワイしながら音楽室に着いた。





音楽かぁ、苦手だなぁ。



声出さなきゃいけないし。





元吹奏楽部だったんだけどね…。