「すまない、手伝わせて」
「大丈夫です。担任の先生に用があったので」
「そうか、じゃあこれが課題だ。ついでに皆に配って欲しい」
「分かりました」
課題のプリントを受けとり、担任の先生の机に向かった。
「お、西谷、どうした?」
「…実は、教科書を何冊か無くしてしまって、購入したいんですけど…」
「無くした?…そうか、分かった」
担任の先生は深く理由は聞いてこなかった。
正直その方が嬉しかった。
私は無くした教科書の再購入の依頼をし職員室を出た。
「…はぁ、、、」
教科書は何とかなったけど、、、、。
無くなる謎は解けないまま、、、。
「…そんな所で何してるの」
「蓮沼さん…」
「次の授業始まるわよ」
「うん」
ガラガラ
「あ!まだいた!西谷!教科書の購入、国語となんだっけ?」
…先生!?
タイミング悪いよ、、、。
「…音楽です」
「あ!そうだった、すまない!」
確実にツッコまれる…。
「教科書がどうしたの?購入って?」
や、やっぱり聞いてくるよね、、、。
「…な、無くしちゃって」
「…嘘ね」
「え…」
「あなた、嘘下手だから。おそらくそれは、人為的なもの。違う?」
鋭い…。
「その様子じゃ、図星ね。きっと葉山君とかも気がついてるはずよ」
「う、ん…」