「じゃあ、一緒に見ようか」
そっと、私が見える様に教科書を置いてくれた。
「いいの…?」
「他の教科もそうだけど、特に国語は教科書ないと困るでしょ?」
確かに、そうだね。
秋君は優しすぎる。
「一緒に見させていただきます」
「ふっ、そんな畏まらなくても」
「そ、うだよね」
恥ずかしい…。
それにしても、、、。
私は授業中ずっと悩んでいた。
トントン
「…?」
秋君が突然、教科書に注目するように合図してきた。
そうだよね!せっかく教科書一緒に見せてもらってるのに失礼だよねっ。
「…読んで」
教科書のに端にメモが書いてあった。
(何かあったんでしょ?相談乗るよ? )
「っ…」
気がついてたんだっ。
いや、皆気づいてる、、、。
雪ちゃんも尚斗も。
…でも、、。
私は秋君のメモの下に返事を書いた。
(ありがとう。でも、大丈夫)
私は秋君を見た。
秋君と目が合う。
秋君は無理はするなっていう視線。
心配しちゃってる、よね、、、、。
私はメモのさらに下に追加した。
(本当に無理な時は秋君に言うね)
だからそれまで、私は大丈夫って気持ちを込めて視線を返した。
でも一瞬、秋君の優しさに、甘えそうになった、、、。
ここで甘えたら、何も成長出来ない…。
そう、私は自分に言い聞かせた。