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「じゃあ、ここに入ろうか」
「え…」
ここって、、、。うそ、だよね!?
「葉山君っ、本当に入るの…?」
「うん。楽しそうだし」
「…ぅぅ」
ぜ、全然、楽しそうじゃないよ…。
お化け屋敷なんてっ!!
「2名様はいりまーす!」
私、こういうのは苦手…。
「西谷さん、俺の後ろにいたら楽しめないよ?」
「じゅ、充分楽しんでますっっ」
こ、怖いっ。
「ははっ、苦手なんだね」
「…うん」
「じゃあ、誰の後ろで大丈夫だよ」
…有難いです。
「わー!!!」
お化け役が驚かしてきた。
「っっっきゃーー!!!!」
「に、西谷さん落ち着いて、、。大丈夫だから」
怖い怖い怖い!!
「…俺が持たない」
ぎゅぅーーー。
あれ?私、何につかまって…
「…ん?」
「落ち着いて。西谷さん大丈夫」
葉山君の声がいつもより近い…?
それに落ち着く、、、。
私はゆっくり目を開けた。
「………ぇ」
「やっと反応してくれた」
目の前には、ドアップの葉山君の顔がうつっていた。
「なっなっなっ!!すみません!!」
私は全力で謝った。
私はなんて事をっっ。
「気にしないで、西谷さんなら大丈夫だから」
「っ私、何も考えないで葉山君にっっ」
葉山君に抱きついてしまった、、、。
いくら怖かったとはいえ、我を失って周りが見えなくなっちゃった…。
葉山君、潔癖症なのにっ。
大丈夫って言ってるけど、大丈夫じゃないよね、、、。