もう、始まるっ。
「続いては!1年2組!
囚われ姫を救い出せ!です!」
ドキ、ドキッドキッ
緊張がっっ。
ギュッ
「!?」
「大丈夫。練習通りにやれば上手くいくから」
「う、ん」
葉山君は私の緊張を取るために、手を握ってくれた。
ほんとうに、楽になった。
ありがとう。
「むかしむかし、とある国にそれはそれは美しい姫がおりました」
ふぅ、息を整えて…。
「私はマリア姫!今日は、私と結婚してくださる方を探すためパーティが開かれるの!とても楽しみ!私の運命の人は誰なのかしら♪」
出だし出来た!
「マリアよ、良き男を見つけるのじゃぞ」
「はい!お父様!」
「パーティーを楽しみにしているマリア姫。しかし、楽しみから一変、恐怖に変わりました」
ドカーーーン!!
「きゃっ!何!?」
「何事じゃあ!!」
「突然の大きな物音。その直後…」
「くははは!俺様は悪魔族の王だ!マリア姫!お前は俺様の嫁だ!さぁ!俺様の城へ来い!!」
「それは許さぬ!悪魔なんかにマリアは渡してたまるか!」
「それはもう遅い」
「いやー!!!お父様!!!」
「マリアー!!!」
「何と、マリア姫は悪魔に攫われてしまいました」
「なんて事だ!!至急!!腕に自信がある者はマリアを救い出す様、国民に伝達してくれ!!」
「ははっ!!」
「国王は悪魔に匹敵する者を沢山集め、マリア姫を助け出そうとする。しかし、悪魔に勝てるものはいませんでした」
「何故だ!!このままだと、マリアは悪魔の嫁になってしまう!!」
「途方に暮れる国王。しかしその時、」