しばらくして、雪ちゃんの動きが止まった。
「よし!出来た!」
つ、疲れた…。
そして、自分の姿を鏡に映した。
「なっ!ゆ、雪ちゃんっこれで本当に行くの?」
「当たり前よ!イベント何だから派手に行かなきゃ!」
いや、私はそんなタイプじゃ……。
白がベースでピンクの花が散りばめられてる柄の浴衣。
私には可愛すぎるよぉ…。
「うぅ」
「これで葉山もイチコロね」
「ん?石ころ??」
確かに、この格好じゃ転びそう…。
いや、でもなんで葉山君?
「…あはは」
「転ばないようにしなきゃ…」
「…はぁ。あずはもっと自覚しなきゃね」
「自覚してるよ……似合ってないことくらい」
「…葉山が可哀想ね」
「ん?」
「まっ!いいか!そろそろ時間だからいこ!」
「そうだねっ、て雪ちゃん!歩くの早いよ〜」
雪ちゃんの歩くスピードにはついていけない…。
雪ちゃんも浴衣着てるのに速すぎだよ。
私は雪ちゃんの後を追いかけて、尚斗と葉山君との待ち合わせ場所に向かった。