「ほら、そんな顔しない。だからったでしょ。直ぐに下を向かないって」




「っ…うん。




葉山君、ありがとう」





お礼をちゃんと言えた。





「お礼なんていいよ、元はと言えば俺が原因だからね」





「そんなこ…」





ドドドドドドドっ


物凄い足音がする。

「あずーーー!!!あずっ!大丈夫!?」


ぎゅーーーっ!


雪ちゃんに思いっきり抱き締められてっ…

く、苦しい…。


「梓!」



「ゆ、雪ちゃん、尚斗…私なら大丈夫だよ」



「何が大丈夫よ!涙目じゃない!!」




ぎゅーーーーーー!


2度目のハグ。


「ちょ、雪ちゃん」



「葉山!あんたのせいなのは分かってるのよ!関わったからにはちゃんとあずの事守りなさいよ!」



「ゆ、雪ちゃんっ何言ってるの!」


「頼むぜ!秋!」

尚斗まで!


「分かってる」


は、葉山君!?



私は守ってもらう様な人間じゃないよ…。





「にしても秋、そんなんでもモテるとか呪われてるな!」


「…うるさい」






「て言うか!!私だって葉山と話したりしてるのに、何で誰も私に喧嘩ふっかけてこないんだろ」




……。





それは雪ちゃんが怖いからだと思います…。





「それはアレだろ!雪は論外って事だろ!」


ゲラゲラと笑う尚斗。

「まぁ、相手にはされてないだろうね」



ちょっ、葉山君まで何言ってるの!?


ゅ、雪ちゃ…



「はぁ"?二人ともしばかれたいの?」



あーぁ…。


「そういう所だね」

「そうそう!そしてダッシュ!!」



葉山君と尚斗は走り出してた。




「このっ!まてー!!!!」




鬼ごっこ始まっちゃった…。



葉山君も一緒に。