「…んー」



雪ちゃんは頭を抱えている。

あれ?雪ちゃんそれ…。





「あー!分からない!!」



ビクッ!



「ちょっちょっと雪ちゃんっ、いきなり大声出さないでよ〜!」







ビリリなところも直したい…。





「ごめんごめん!あっ!消しゴム落ちた!」




雪ちゃんの消しゴムは誰かの足元の近くに落ちた。



「あ、葉山の足元に落ちちゃった」



よりによって葉山君のところ!?

なんかもう、危険な香りがする…。





「…」


葉山君の反応はなく勉強している。


あれ?気づいてない?

でも、雪ちゃん声に出して言ってたし…。
ボリューム大で。




「あのさ、葉山。葉山の足元に私の消しゴム落ちちゃったから、取ってくれる?」





「………やだ。消しゴムは手汗が凄いから自分で取って」


葉山君は雪ちゃんからのお願いを断った。

と同時に、おそらく消しゴムを取りやすくするためき軽く椅子を引いた。



これはまずい…。


恐る恐る、雪ちゃんの表情を見ると…




「…そう。それはごめんなさいね!!」



ひっ…。鬼の顔っ。



「ちょっ、雪ちゃん!」



雪ちゃんは、かなりお怒りのご様子。



そして雪ちゃんは、素早く落ちた消しゴムを取り、私には言い放った。




相手は潔癖症の人だよって言ってもダメだよね…。

いや、絶対に…。



「…あず、ごめん。やっぱりあいつは、優しいとは思えないや!!!」




ま、まぁ、そうなちゃうよね…。




「…その問題。解けないとかヤバすぎ」


葉山君、本当にそこはほっといて欲しかった…。


「なっ!私は葉山とは違って秀才じゃないの!ほっといて!!」







「ゆ、雪ちゃん落ち着いて…」




「今の問題は、西谷さんが解き方教えたばかりだろ」




葉山君ーーー!!




「…え?
あっ、本当だ!あずごめん!せっかく教えてくれたのに!」




い、いつもの雪ちゃんに戻った〜。




「大丈夫だよ!分からなかったらまた教えるよ?」




「うん!解き方忘れちゃったからお願い!」



「うん」



「…」





何とか落ち着いて良かった…。