という感じで、私は校内を駆け回ってる。


あ、これって逃げ回ってたら逆に直ぐ見つかって捕まっちゃうよね!?


だったら隠れればいいよね!?


逃げ切れたらって言ってたし。



でも、とりあえず出来るだけ離れないと。




「はぁはあっ」





確かこの角を曲がれば、資材倉庫があったはず!





ドンッ!!!



「きゃっ!」



「っ!」


どうしよっ!誰かにぶつかっちゃったっ!



「っ…ごめんなさいっ!」



「あいたたた…まったく、どこ見て…って梓ちゃん?」


そ、その声は…



「蓮沼さん!?」



「え、何やってるの?こんな所で」


「あ、その…秋君と鬼ごっこを…」


「梓ちゃんが何かやらかしたってかんじかな」

「ぅ…」

ば、バレてる…さすが蓮沼さん。


「ま、何でもいいや。頑張ってね」


「え、まって!助けて!!」

「い、嫌…。後で葉山君に何言われるか…」


ゾッとすると付け加えたような言い方。


私にも伝わってきた。


「じゃあ、せめて私と蓮沼さんがここで会ったことは内緒にして!」


「葉山君も鬼ごっことか怖い事するわよね。もしかして梓ちゃん、葉山君の事、嫉妬させちゃったの?」



ん?


「嫉妬?」



………んー、あ!!

そ、そういう事か!!!


「あ…、自覚なかったのね。葉山君、可愛そうに。それじゃあ、私は教室に戻るわね」




「あ、うん!ありがとう!蓮沼さん!」