「ふーん?だったら付き合ってもいいよ」



え!?

今の感じだと…
りょ、両思い…ではないよね?



「ほんと!?!?嬉しい!」


「…」


私は一瞬、葉山君の口角が上がった様な気がした。



「でも、手を繋いだり、近ずいたり、何かを共用したり、キスしたり、その他諸々、カレカノらしい事は出来ないから」


「それじゃぁ、付き合う意味が…」



「知ってるだろ、俺が潔癖なのは。
人の物に触っただけでも鳥肌が立つんだよ」





潔癖症の人って大変なんだな…。


「そ、そんなっ!でも慣れていけば大丈夫かもしれないよ??」


「無理なものはむり。
だから諦めた方がいい。そうだついでに、他の奴らにも言っておいて」


す、凄い会話を私は聞いてしまった。

いやっ、完全に盗み聞きをしてしまった…。





ガタンっ

蓮沼さんは自分のカバンを勢いよくよって教室のドアに向かって走ってきた。


「っつ!!」


やばい!



蓮沼さんが私のところに向かってきてるっ!!



私はとっさに廊下の壁際に張りついた。


蓮沼さんは、私の前を通り過ぎたのに、私には気づかなかった。





「…っはぁ、気づかれなくて良かった…」


ホッと一安心した。



「ま、俺にはバレバレだったけどな」


ビクッ!!
私の肩が飛び跳ねた。

「っ!!!」


誰かの突然の声に驚いた。

安心していた自分が馬鹿だった。



注意すべき人がもう一人いた事を忘れてた。


「盗み聞きとは、いい度胸だね」





「はっ、葉山君っ」




…盗み聞きしてた事気づいてたの!?

ど、どうしよぉっ。






怖い…でも、私の自業自得っっ。