誰か残ってるかな。
教室に近づくにつれてどんどん歩く速度を落とした。
誰かいたら声かけられたりするからやだなぁ。
上手く話せるか分からないし…。
教室に近づくにつれて心臓がうるさくなる…。
自分の人見知り直したい……。
はぁ…。
教室に入ろうとした時、教室から誰かの声が聞こえた。
「あの…」
あぁ…
やっぱり誰かいる、、、。
私は瞬時に息を止めて、身を潜めた。
「ごめんね!教室に残しちゃって…!」
「それで、俺になんの用」
この声は同じクラスの蓮沼さんと、
葉山君…!?
凄く意外な組合せで驚いた…。
教室に入りづらい…。
「実はっ、前から葉山くんのこと好きで、付き合って欲しいなって…」
え!?えっ!!告白!?
ど、どうしよぉ。
さらに入りづらさが2倍に…。
これは帰るしか…
「それってさ、俺のどこが好きなの?」
やばい…これじゃあ、盗み聞きだ……。
「え?あ、クールでカッコイイ所とか!」
蓮沼さんはこんなにも自分の気持ちを伝えられるなんて…私はとても尊敬する。
「へぇ。まるで俺の事分かってないね。
よく親が言わない?見た目や想像で好きになるのは、やめた方がいいよ」
こ、恐い…。
「こうして、注意してくれる所も好きなの!」
蓮沼さんは心が強い…。
あんな風に言われたら…私だったら、心がズタボロかも…。