入って来たのは、女の子だった。
“秋星 志保”と彼女は名前を書いた。
「秋星…」俺は彼女の名前を口にしていた。
見た目は、綺麗な清楚美人。クラスの女子とは違って、クールで物静かな雰囲気だった。
「秋星は…湊の隣だ。」と担任は、俺の左側の席を指差した。
彼女は、頷いて歩き、席に着いた。
「よろしくね?湊くん。」とボソッと俺に聞こえる大きさで言った。
「あ、うん。よろしく。」俺は彼女に言った。
この時の、彼女の俺だけに見せてくれた笑顔にまんまと落とされた。
俺は、彼女の事が好きになってしまった。

あの後、祐樹や海から、
「あの子が好きなんだろ?」とからかわれたのは言うまでもない…