リンゴ飴を舐めていると、
「湊くん。ありがとね。」と彼女は言った。
「なんで?」俺は聞いた。
「あのね?湊くんが誘ってくれなかったら、私、家で一人だったから…」彼女は言った。
「そっか…」俺は呟いた。
「だから、すっごい感謝してる。」彼女はまた言った。
「良かった…」俺はそう言って飴を舐める。
あんなに甘酸っぱく感じたリンゴ飴が今は、ほんの少しだけ甘くなった様に感じた。