あの日は、苦手な先輩である町田さんがいつも異常にイラついてて…まだ仕事に慣れてない分どうしても遅くなってしまい怒られまくっていた。


「……できたって言ったわりに出来てないじゃない。本当に聞いてた人の話?」

耳がキンキンと痛くなるほどに怒鳴られる

「……は、はい…」

「はい って言う言葉は聞き飽きてるの。聞いてたか聞いてないのかハッキリして」

「聞いてました…」


「じゃぁ、なんで出来てないの?」と私が畳んだ商品を指差す

「…あの、指示通りに「やったって言うの?これね、こっちの畳み方じゃなくてこの畳み方なの。見てて」

と言って畳み方を見せる


「分かる?これなの私が言ってるのは」

そう言われても入ったばかりで覚えることに必死だった私には、正直あまり分からない。

「…すいません…もう一度やり直します」

そう口にしても

「もう良いから、私が全部やる。木崎さんはこれ片付けてきて…場所は、分かるわよね?あと、その頭一回冷やしてきなさい」

そう言って新しいハンガーがたくさん入ってる箱を指差す。

「…はい」

私は、箱を持ちバックに向かった。


バックには、たくさんの商品とか道具とか色々あって昼休み近くなるとほとんど人がいない。
だから、あの日の私には充分な逃げ場所だった…

箱を置いて邪魔にならないように隅っこにうずくまるように座りこんだ。

「…はぁぁぁぁぁぁぁ」
深いため息と同時に涙がポロポロと零れ落ちはじめた。
足手まといにならないように必死に頑張って覚えようとした。だけど、それが仇となり結局ミスをしてしまった。

情けない

自分が情けない

だけども、お客さんが近くに居るのにあーも、頭ごなしに怒られる。精神的にくる…そして、少し腹が立った。いや、自分が悪いんだけども

あー私、向いてないのかなぁ


そう思うとドンドンと涙が余計に溢れてきた。それからどのぐらい座って泣いてたんだろうか

正直覚えてない

頭を冷やしてきなさいと言われたが、泣き疲れたのか私は、寝てたらしい。今思えば気の緩み過ぎだ…