「それから、彼女だって言わねぇのは一回一回言わなくてもお前が俺の女だって分かってると思ってるから」
壱馬には壱馬なりの理由があって、あえて言わなかっただけなんだ。
「でも、これから必要ならちゃんと言う。今日みたいになるのは腹立つ」
「さ、さっきのは!」
「ちげぇ。お前の言った言葉じゃなくて。アイツらな」
アイツら?
さっきの友達に腹立っててたの?
「さすがに、友達だのなんだの言われると腹立つ。だから、ちゃんとアイツらには言って来た。彼女だってな」
「壱馬………」
「つーか」
ムギュ!
「腹立てても、お前まで友達とか言ってんじゃねぇよ」