壱馬の舌打ちなんか、ムシムシ!



それは、別れた時。



壱馬は普段は怒らないことでも、怒り当たってた。



「落ち着けって!壱馬!」




「うっせ」



誰の言うことも聞かなかったそうで。




「カズく〜ん!どうしたの?」




速水野々香が壱馬の腕にベッタリと引っ付く。




いつもなら、ムシしててさせるがまま。




「放せっ」



なのに、すぐに振り解き離れる。




毎日、毎日、イライラしてたそうで。




「ねぇ、カズくん。うちと付き合わない?」




「は?」



「だって、うちカズくんのこと好きだし。カズくんもうちのこと好きでしょ?」