「陽二くん。」
ボーッとそんなことを考えていた俺はかわいらしいその声にハッとする。
「すず…。遅かったな。」
「あ、ごめんね?ちょっと色々頼まれちゃって。」
苦笑いする彼女は、星川鈴。
俺の彼女。
「別にへーき。すずのこと考えてたら一瞬だった。」
「ハハッ。陽二くんってば、言うことがいちいちクサイよ。」
クスクスと笑うすずをジッと見つめる。
小刻みに揺れる華奢な肩。
長いふわふわした癖っ毛。
クリクリした目に小さい口。
その全てがかわいくて愛しい。
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