すごく、遠回りした。


自分の本当の気持ちに気づかずに、あたしは大分遠回りした。


でも、その中で。


遠回りしたからこそ気づけたことがある。


わかったことがある。


「あたし、冬矢の隣では、カワイイあたしになれるの。だって冬矢は魔法使いだし。それに…」


「それに?」


あのね?


あたしをキレイにする、キレイの魔法はね?


魔法使いのあなたがくれたものなんかじゃなかったんだ。


あたしをキレイにした、キレイの魔法はね?


魔法使いじゃなくて…


「あたしだけの王子様だから。」


王子様のあなたがくれた魔法なんだよ。


永遠に消えることのない、最強の魔法なんだよ。