その日の夜、私は一人ブランコを漕いでいた。


あの公園の錆びれたブランコ。


辛いときはここに来る。


隔離されたこの場所なら、涙を流してもバレないでしょ?





ギーコ ギーコ


右に寄ったり、左に寄ったり。


未だに上手に漕げない私。


“他に言うことねぇの?”


祐希の言葉が頭の中をグルグル回る。


他にって?


“おめでとう”とか?


“良かったね”って?


祝ってほしいの?


そんなこと望んでるの?


違うでしょ?


違うよね…?


だって、祐希は好きで付き合ってるわけじゃないでしょ?


私以外の誰の告白も断ったことないじゃない…


断らないじゃない。


私以外…