「んじゃ、明日着る服でも買いに行くか?」
「うんっ!!」
ゆっくりと席を立った俺に続き、さくらも慌てて席を立つ。
さくらと俺、二人分のカバンを持ち、俺はさっさと教室を出る。
何も入ってない空っぽな俺のカバンに比べ、教科書やらノートやら、いろんなものが詰まったさくらのカバンはパンパンで重かった。
「あ、冬矢、いいって。カバンくらい持つっていつも言ってんじゃん。」
スタスタと先を歩く俺を早足で追いながら、さくらは俺の手に握られたカバンに手を伸ばす。
が、その手はカバンには届かずに宙を切る。
「小さっ。てか、お前、どうせ今日大量に服買うんだろ?目に止まったものは全部買うもんな。しかも趣味悪いの。」
「何よぉ〜。そんな風に言わなくたっていいじゃない!!冬矢のバカぁ!!!」
俺の言葉に拗ねて膨れるさくら。
そんな姿さえ、愛しく思う。
俺は、バカな魔法使いだ。