「実胡、祐希が幸に告られたって!!」
昼休み、芹菜が息を切らして私の元に駆け寄ってくる。
そんな芹菜には目もくれず、購買で買ったパンを頬張る私。
「ねぇ、実胡、聞いてる?祐希が幸に告ら…」
「ふぅん…。で?」
「だ、だから…」
素っ気ない返事に驚きもしない芹菜は、私のことをよくわかってくれてる。
「あのね…」
「OKしたんでしょ?どうせ。」
素直じゃない、この性格を。
「幸と付き合うんでしょ?」
「………」
黙り込む芹菜の様子から、やっぱりな、なんて納得する私。
「別に気ぃ、遣わなくていいよ。わかってたし、そんなの。」
「うん…」
もう何度目かさえもわからない、こんな話。
上手い返答の仕方も、ズキンと痛む胸の痛みを無視する術も、いつの間にか身につけいていた。