いつだったろう? 「ねぇ、遊ぼ?」 ブランコを漕ぐ私の前に差し出された小さな手。 俯いてた顔をあげれば、見たことのない男の子が私に笑顔を向けていた。 「一緒に遊ぼ。」 戸惑いながら伸ばした私の手は、たぶん震えていた。 やっとの思いで手を握ると、その子はほんの少し頬を染めてニコッと笑った。 それは私の初恋の話。 10年以上も続く、片思いの始まりだった。