「ゆうき、もうすぐ着くわよ?」
お母さんの優しい声に目を覚ますと、見慣れない風景が広がっていて。
幼い僕には、それはまるで異世界のように珍しく、自然と胸が高鳴っていた。
「ママ、僕、あそこの公園であそびたぁい!!」
車の中から見えた大きな滑り台に、興奮して思わず身を乗り出す。
「じゃあ、後で行こうね。新しいお家、見てからね?」
「うん!!早くお家行って、早くあそぶぅ!!」
人見知りなんてしない僕は、友達できるかな?
なんて不安はなかった。
この新しい世界が楽しくて楽しくて。
ただそれだけだったんだ。