昨夜の魅力的なウエイトレスだと思い出し、アーシェリアスが「おはようございます」と挨拶をすると、ウエイトレスも「おはよう」と返したのだが、何故かその表情は曇っている。


「あの……体調でも悪いんですか?」

「違うの。私は元気なのよ。朝食のスープもいつも通り十杯食べたわ」

「十杯!?」


驚くアーシェリアスは、そんなに食べてなぜ細いのかと震えた。


(お胸!? 摂取カロリーが全部お胸に向かう仕様!?)


羨ましいとばかりに思わず自分の胸元にそっと手を当てると、隣に立つザックがフ、と笑ったの気付いて思い切りわき腹を肘で突いてやる。


「ぐぅっ!」


心なしかシーゾーが呆れた目で見ている気がする中、アーシェリアスは「じゃあ何が」と問いかけた。

すると、ウエイトレスは手を頬に当てて眉を寄せる。


「実は、うちの子が帰ってこなくて」

「えっ、お姉さんお子さんがいるんですか!?」


またもや驚かされて、アーシェリアスは零れ落ちそうなほど目を丸くした。