連絡が取れなくなり、自分が騙されたのではと疑うまでに時間はかからなかった。

教えてもらっていた住まいを訪ねてみたがそこには公園が広がるのみ。


(え? まさか遊具がお家的な?)


そんなバカなと思いつつも公園内を探してしまったのは、どこかに信じたい気持ちがあったからだ。

何か理由があるはずで、本当は自分を騙してなどいないのだと。


『もしかしたら彼、何かの事件に巻き込まれたのかもしれない』


そう莉亜に相談された母親は、自らが経営する小料理屋の営業準備をしながら呆れた口調で言葉を返した。


『あんたが事件に巻き込まれたのよ』


その日、莉亜は小料理屋の手伝いを休ませてもらい、客と一緒に飲んだくれた。

バカ野郎と叫び、なんで私がこんな目にと嘆き、クソ男に裁きを! と怒り、常連の客らに慰められ、朝まで飲んだ。

翌日の二日酔いはひどいものだったが、そんなことよりも懸命に貯めてきた貯金を全部持っていかれたことの方が莉亜にはつらかった。