その日から数日後

私は馬田鹿男からとてつもないことを聞いた

やっぱり、南 萌夢は中三のイケメンで勉強もできる彼氏がいるようだ。

確かにミカの言ってた通り二股だ

もうここまで来ると清々しいよね

ちなみに、馬田の頭は馬鹿だけど、噂話は絶対正しいらしい…

不思議だよね…

そして、もう1つ聞いてしまったことがある

「中崎ってなぁ!ーーーーーーーーー」

私はその事を聞いた時、とっさに逃げ出してしまった

廊下を走って、ずーっと走って、遠くのトイレに駆け込んだ

信じられない。

いや、

信じたくない。

まさか、

中崎くんの好きな人がミカだなんて…

蓋の上に座っている私の足が、生暖かい水で濡れていく

ポツリ…ひとつの雫が落ちる

私の乾いた肌を濡らす

ポツリ…ポツリ…

ひとつ…またひとつ…

まるで雨でも降るように

すると、今まで押さえ込んでいた感情も溢れ出て来る。

そりゃそうだよね、

私なんかより、ミカの方が何倍も可愛いし

性格も、頭もいい

クラスの中心的な明るい子で、

私なんかとは正反対

「仕方ない…仕方ないよ…」

私は自分に言い聞かせるように、

小さく呟いた…