放課後

私はミカと帰っていた

「ユキ!こっちが早道なんだよ!」

「え!っちょっと!」

ミカが私の手を取って、人気のない方向へと歩いていく

手入れが行き届いていない、荒れ果てた道がどん

どんひらけていって

最後は知らない道路に着いた

「どこ?ここ」

「ここはね〜近道になる道路!しかも運が良かったらイケメンと遭遇しちゃうんだよー!」

「イケメンと遭遇って…。本当ミカはイケメン好きだね…」

「そうだよー!顔がいいに越したことはない!」

「ふーん…」

「あらあら?ユキさんが好きな人もなかなかのイケメンだと思うのは私だけですか?」

「………。」

それを言われると言い返せないよ…

たしかに中崎君はイケメンだよ?

イケメンだからって言うのもあるけど

でもそれ以外のことで私は好きになったんだけどなぁ…

「あ!ユキ見て!見て!」

ミカが私の腕を引っ張った

その時、私の目には信じれない光景が広がった

なんと、中崎くんが!と、言う乙女チックな事はなく、超絶美少女なのに超絶ぶりっ子の南 萌夢(みなみ もえむ)がイケメンな先輩と話していた

たしか、南さんは同級生のイケメンでモテモテの彼氏がいたはず…

って!あー!キスした!

「クックック…やはり萌夢は二股だったのか」

ミカが悪ーい笑みを浮かべている

サッと取り出した濃い茶色の手帳にサラサラと

『南 萌夢 山崎先輩と二股』

…なんと恐ろしい

南さんもだけどミカも大概だよ

そして南さんと先輩がいちゃついているのをミカが細かく記録して行くこと20分

「もうかえろーよー!」

20分もよく待った!私!

偉い!

ミカの手を握って南さんが居るところとは逆の方向に振り向いた

バフッ!

「わっ!」

一瞬にして視界が真っ白になった

ふんわりといい匂いがしてくる

あ、すごく好きな匂いだ…

って!そうじゃなくて!

誰かにぶつかったの?!

すぐさま顔を離す

顔を見ると、なんと中崎くんだった

やっと…やっと中崎くんに会えた

じゃなくて!

「ご、ごめんなさい!」

ばっと頭を下げる

「別にいいよ。」

中崎くんは、ふっと笑ったあと萌夢と山崎先輩を

指差した

「あれ。南の彼氏、俺の友達なんだよな…まさか

山崎先輩に取られてるとは…」

参ったな…というような顔で見つめている

中崎くん…可愛そう

するとミカが

パンッ!

と手を叩いた

「さぁ、帰ろ。こんなの見ててもどうしようもないよ」

ミカは呆れたような顔だ。

私も呆れてるけど…

南さんと、南さんをずっと見てたミカに…

「うん。じゃ、帰ろっか」

私たちはその場からそそくさと逃げていった…

じゃなくて、帰っていった。