―爛が熟睡してて、上田がどんだけ怒っても気づかないんだもん!すっごい面白かった!!」

「マジー?見たかったわーw」

そんな話をしていると悠美の家の前に着いた。
悠美の家は私の帰り道の途中、ここで別れることになる。

「まー今日で補習最終日ってことで!これからはドーンと遊ぼー!!」

悠美は両手をグーにしてばんざいをした。
そして私と悠美はそれぞれさよならをして悠美と別れた。

少し歩いていると、急に風が強くなった。
突然のことに驚いて目をつぶる。

カサ

と目の前で音がした。
目を開けるとそこには手紙が落ちていた。

手紙を手に取ると何か様子がおかしい。
それは、真っ白な封筒で汚れもシワもついていない。
どこからか飛んできたにしてはやけに綺麗すぎる。

そして一番おかしな点は、その封筒に"沖橋 爛さま"と書いてあったことだった。

「私あての手紙?」

仮にそうだとしても家からちょうどここまで飛んでくるわけがない。
目の前で起きている不思議なことにとまどいを隠せず、辺りを見渡しだが人の気配は全くない。

気持ちが悪いと思ったが、好奇心を抑えることができず、私は手紙を家に持ち帰ることにした。

家に着き、"ただいま"を言ったが当然誰の返事もない。
両親は共働きでいつもこの時間にはまだ帰ってきていないのだ。

日はまだ高く、家のなかは蒸し暑い。
クーラーをかけてから私は例の封筒を取り出した。
"沖橋 爛さま"確かにそう書いてある。

私は思いきって手紙を開けてみた。
中には白い便箋が入っており、しっかりと文章が書いてあった。