私はといえば、スポーツしかやってこなかった運動バカっぷりが、喋り方や仕草にもろに出て、由梨と女性らしさを比較するのもおこがましい。由梨と話すことに後ろめたさみたいなものさえ感じたけれど、由梨は私のがさつな部分さえも包み込んでくれる、清らかさと純粋さを持っていた。私はそれに救われながら、少しずつ彼女と仲を深めていった。

卒業する頃には私たちはすっかり気のおける友達、親友のようになっていた。
私たちの仲が深まるのと比例するように、由梨の美しさは増していった。
由梨の香りを毎日間近に感じるせいか、私の心の中までその濃厚な香りが充満した。
その頃からだと思う。そんな彼女の横で、私の中では少しずつこの言い表しがたい感情が見え隠れするようになっていた。