「あの!坂井さんのことは草太から聞きました!歌が上手いそうで!僕も是非聞いてみたいです!」






「いや、あの・・・上手いと言えるほどではないですけど一応合唱部です」




「えっ!合唱部ですか~!いいなぁ。僕の学校合唱部なくて・・・これでもぼくも歌好きだからあれば入りたいなって思ってたんですよ!」





笑顔で話し続ける翔くんは本当に可愛くて思わずその顔に見とれていると




「あ、あの…坂井さん?どうかしましたか?」




怪訝そうな顔で翔くんが私を見てくる





「あ、いや!なんでもないよ!合唱部ないのは悲しいよね!ところでさ。みんな遅いよね!」





上手く話題を変えられたと自分では思っていたのだが翔くんはまだ何かを疑っているようで私の手首を掴んできた





「坂井さん!大丈夫ですか!?体調悪いですか!?なんかあったら僕にいってくださ「おい」





翔くんの言葉を遮ってそれまで黙っていた矢野は私の手首から翔くんの手を離した





「翔、必要以上に触んな」