なんで俺が死なないといけないんだろう。
苦しまないといけないんだろう。
ねぇ、母さん…
「どうして俺は…生きてるの」
そう言った瞬間、母さんは俺を力強く抱きしめた。
「ごめんっ…ごめんね…」
泣きながら、かぼそい声で母さんは言った。
「母さんは愛斗にはできるだけ長く生きていてほしい…死なないでほしい」
できるだけ長く生きて、幸せだったって生まれてきてよかったって…そう思ってほしかったから…だから
「生きているのに大きな理由なんていらないんじゃないかな?」
ただ、生きたい…それだけで理由になるんだよ。
そう言って母さんは微笑んだ。