やっと着いた学校なのに、まだ近藤瑛人が来てなくてあたしは少し肩を落とした。
せっかく来たのに。
そして席に着いたあたしの前に、ゆりがやって来た。
相変わらずのスカートの短さと厚化粧だけど、髪は暗い茶色になっていた。
「ちょっと藍菜聞いて〜!!
細川のやつ超ウザいんだけど〜!!」
来て早々あたしに愚痴るのはよくある事。
彼女の言ってる細川というのは生活指導の先生で、きっとあの金髪を注意されたんだろう。
「そうなんだ。」
あたしはと言うと、ぶっちゃけ興味ない。
あたしが怒られた訳じゃないし。
「うん。
…で!そういえば、明日ドラマで〜…。」
あたしにとって、どうでもいい話。
でもこの空気を乱すのも面倒な事になるから、適当に返事をして乗りきる。