咄嗟に顔を伏せ、斉藤さんと足早にその場を離れる。 だけど。 「長瀬?」 後ろから、近藤瑛人の声がした。 あたしの名前、覚えてるのかよ。 「藍菜ちゃん、行こう。」 そう言う斉藤さんに連れられるけど、後ろから誰かに腕を掴まれた。 誰か、というより、近藤瑛人しかいないのだが。 足がもつれて、息が苦しい。 力が入らなくなって…… あたしの意識は途絶えた。