いつもの様に手を繋いだ。 ───その時。 見つけてしまった。 人混み中でも目立つあいつの姿。 近藤瑛人がいる。 見られてはまずい。 まだあいつはあたしに気付いていない。 あたしは斉藤さんの手をそっと離した。 「えっ?」 びっくりしたのか、斉藤さんがあたしの顔を覗き込む。