「ねぇ‥何か怒って‥」 「帰ろう。」 矢島のおっきな背中が 小さく揺れる。 矢島の口から出た言葉が 信じられなかったあたしは 「え?」 って思わず聞きなおした。 次は振り帰らず 「一緒に帰ろう。」 矢島は小さな声で言った。 顔が熱くなるのがわかる。 あたしは矢島の後ろを 黙って歩いた。