掃除を終わらせたあたしは カバンをしょって マフラーを巻きながら 矢島の待ってる廊下に出た。 さむい‥ 矢島は窓の外をじっと見てる。 あたしは咳払いをして 声がきちんと出るか確かめた。 「矢島‥? 掃除‥終わったよ。」 マフラーに顔をうずめ あたしが歩み寄ると 矢島は「あ。」 だけ言って 床に置いてたエナメルバックを 肩にかけなおした。