「はー……。
すっごく良かった!」
映画が終わってから街をブラブラと歩きながら感想を言っていると隆矢が少し困ったように視線をさ迷わせていた。
「隆君、どうしたの?」
「いや、その、腕が……」
言いながら自分の右腕をチラッと見た隆矢とその腕に絡み付くように抱き付く勇菜と目が合って、勇菜は首を傾げた。
「もしかして歩きにくい?」
「いや、そんなことないけど……みんな見てるし少し恥ずかしいだけ。
でも、突然どうしたの?」
「……映画の草野さんに少し嫉妬しただけです」
ぼそぼそと少しばつが悪くなり小声で言うと、隆矢は目を丸くしてやがて柔らかく微笑んだ。
「勇菜でも嫉妬してくれるんだ?」
「するに決まってるよ!
それくらい隆君のことが……」
「うん、俺も好き」
顔を寄せて小声で囁かれ、勇菜はボッと顔が赤くなった。
恥ずかしさのあまり絡めていた腕に力を込めて、隆矢の腕で顔を隠そうとしているとふと周りの人の視線がいつもと違うことに気付いて顔を上げた。
ひそひそとこちらを見ては内緒話をするように小声で話しているその姿はいつもの好意的な表情とは違って何やら困惑しているような表情で、隆矢もそれに感づいたのか辺りを見回しながら僅かに眉を潜めていた。
すっごく良かった!」
映画が終わってから街をブラブラと歩きながら感想を言っていると隆矢が少し困ったように視線をさ迷わせていた。
「隆君、どうしたの?」
「いや、その、腕が……」
言いながら自分の右腕をチラッと見た隆矢とその腕に絡み付くように抱き付く勇菜と目が合って、勇菜は首を傾げた。
「もしかして歩きにくい?」
「いや、そんなことないけど……みんな見てるし少し恥ずかしいだけ。
でも、突然どうしたの?」
「……映画の草野さんに少し嫉妬しただけです」
ぼそぼそと少しばつが悪くなり小声で言うと、隆矢は目を丸くしてやがて柔らかく微笑んだ。
「勇菜でも嫉妬してくれるんだ?」
「するに決まってるよ!
それくらい隆君のことが……」
「うん、俺も好き」
顔を寄せて小声で囁かれ、勇菜はボッと顔が赤くなった。
恥ずかしさのあまり絡めていた腕に力を込めて、隆矢の腕で顔を隠そうとしているとふと周りの人の視線がいつもと違うことに気付いて顔を上げた。
ひそひそとこちらを見ては内緒話をするように小声で話しているその姿はいつもの好意的な表情とは違って何やら困惑しているような表情で、隆矢もそれに感づいたのか辺りを見回しながら僅かに眉を潜めていた。