「と言うわけなんだけど、どう思う朝陽君」

「とりあえず、性格は悪いと思うな」

ある日の早い時間帯に勇菜は真未の店で隆矢と待ち合わせをしていたのだけれど、たまたまお店の手伝いをしていた朝陽がいたので勇菜は美佐のことの相談をしていた。

「やり方はやっぱりよくないんだけど、でもそれだけ隆君のことが好きなんだろうなって思って」

「だからと言ってやっていいことと悪いことがある。
生放送での嫌がらせとか隠し撮りとか、下手したら勇菜のアイドル生命が危なかったぞ?
それに隆矢は勇菜を選んで勇菜は隆矢を選んだんだ。
人の気持ちは思い通りにはならないもんだよ」

「……策士な朝陽君でも?」

「策士な朝陽君ならどんな手段を使ってでも好きになった相手を手に入れるな」

ニヤッと笑いながら言い放った朝陽に、えー……。と思わず微妙な顔になってしまったけれど、朝陽ならやりかねないと思わず納得してしまった。

「なに馬鹿なこと言ってるのよ。
勇菜ちゃん、お客様よ」

「隆君!」

呆れた様子でやって来た真未の後ろに物珍しそうに店内を見回している隆矢がいて、声をかけると笑顔を見せたが同じテーブルにいた朝陽を見ると表情を引き締めた。