会話をしていても、受け答えはいつも、どうでもいいといった感じ。


甘いセリフを吐くときは決まって冗談めいた口調で、
何度か言われた“可愛い”も結局は、からかわれているだけなんだと思い知る。



「私を助けてくれたのは、きっと気まぐれだよ」



関係が続いたのは私が都合のいい女だから。


響平に誘われたら拒めない。

それを響平もわかってる。




「瑠花ちゃんがここに来ないなら、本当に、二度と会えなくなるよ。響平は、この街から出られないから」

「……響平はなんで禁止されてるの? 街の外に出ること……」


「そういうルールだから……。この街の子どもたちは皆、成人するまで“あの人”の下で働かせられる。響平はその中でも、世間にバレたら危うい事情を抱えてて、その情報が外にもれないようにずっと監視されてるんだよ」