「桃」
司の声に桃の体が緊張で強ばる。

そんな桃に気づいた司は桃の肩を抱く手を動かし桃の背中をさすった。

「話し、してもいいか?」
「いやだ…」
「聞いてほしい」
「やだ…」
「桃」

どんな話しか分からず怖がる桃にちゃんと司は気づいている。

「聞いてほしいんだ。桃に。今。」
「……」
司のまっすぐな視線と言葉に桃は黙った。