理解はできないけれど白咲くんに意見する勇気はなく、結局言われるがまま布団の中に入りました。
引き寄せられるように向かい合い、ピタッと接近すると私は軽くパニック状態に。
額と額が触れてしまいそうなほど近い距離が恥ずかしくて目はグルグル回り、顔からは火が吹き出しそうです。
「あったか…」
ポツリ、呟いたのは人肌が温かいのかウトウト気持ち良さそうな白咲くん。
目の前で揺れる綺麗な髪の毛と普段の距離感だと気付かない良い香りにドキドキして胸がいっぱいです。
ついつい白咲くんに視線を注いでいると、閉じ掛けていた目をパチッと開けた白咲くんと目が合いました。
「…見過ぎ。気が散って寝れない」
「ごめんなさい…白咲くん、とっても綺麗なお顔なので、つい」
「お前がぶすなだけだろ」
「それはそうなのですが…」
「…昔から言ってるけど、眼鏡掛けろよ」
「残念ながら両目ともに視力2.0でして…」
「ふーん。クソつまんね」
ぶっきら棒な言い方だけど、これは白咲くんなりの優しさです。
昔から自分の容姿に全く自信が持てない私に、だったら眼鏡で隠せばいいとアドバイスをしてくれます。