告白した側もされた側もその事実を忘れ去っているのではないかというくらいである。


もちろん、私は忘れてないが依然として心は決めていない。


鳴瀬のこと好きかと聞かれれば好きだと思う。


その好きは果たして愛だ恋だのものなのかは分からない。


鳴瀬といて心地いいのは事実だし、一緒にいたいという感情も存在している。


「先輩、デートしよ」

「デート?」

「俺の足治ったらデートね」

「ど、どうしてもっていうなら」


我ながら素直じゃないと思っている。


デートしたいって言えばいいのに。


足が治ったらデートする、らしいです。


服とかどうしよう。


あ、バイト代で買いに行こ。


だめだ。


何故かさっきからニヤニヤがとまらない。


午後の授業に全く集中出来なかった。