『私、これでも、一応、女ですよ。本宮さんと一緒になんて無理ですから』


『もう決めてるから、明日から頼む』


そんな…


強引過ぎるよ、本当。


『お断りします』


『恭香…そんなこと言わないで。俺はお前のところしか行くところがないんだ』


少し甘えたような口調。


また、ギャップ。


わざと使い分けてる?


だけど…


こんなカッコイイ人に、いろいろ言われてたら、だんだん訳わかんなくなってきた…


怖い?


優しい?


迷惑?


嬉しい?


でも…


時々見せる本宮さんの優しい目が、心からこの人を嫌いにさせてくれなかった。


ほんの少しだけ、ユラユラ揺れる感覚に陥ってる私。


こんなの初めてだよ…


あんまり男の人に慣れてないからなの?


私、本宮さんのペースにハマってしまった?


とにかく、冷静にならなきゃ。


一緒に住むなんて、やっぱり無理だし。


まだまだ私、この人を信じられないよ…


忘れてたけど…


本宮さんは、今日、初めて会った人なんだから。