会社から少し離れた場所にあるオシャレなカフェレストラン。


本宮さんが、選んでくれた。


私は何度か来たことがあるけど、ここはあまり会社の人は来ないお店だ。


穴場だと思ってた、好きなレストラン。


本宮さんは、メニューを見ている。


ただメニューを見てるだけなのに、絵になってるからすごい。


それを、店員の女の子がうっとりした目で眺めてる。


そうだよね…


こんな綺麗な顔の人、滅多にお目にかかれるもんじゃないよね。


うん…


確かに素敵な人。


だけど…


やっぱり、ちょっと怖い印象が抜けない。


本当に、強引だし。


何だか、一弥先輩の笑顔が恋しくなる…


あ、まただ…


気付いたら思い出してしまってる…


『恭香。お前に話がある』


オーダーを済ませた本宮さんが、いきなり私に言った。


『あ、はい…』


『恭香って、一人暮らしだよな』


『え!?そんなこと誰から聞きました?』


『…秘密』


なんか、プライベートを覗かれてるみたいで嫌だ。


『…秘密って…それで、一人暮らしだから何ですか?』


不信感たっぷりで聞いた。