『そうですね。本当に美味しくて楽しかったから、みんなはしゃいでましたね。私もですけど』


『なら、良かった。父さんも、喜んでた。俺が話した時、すぐにシェフを予約して、いろいろ段取りをつけてくれたから』


『すごいんですね、社長さん。でも、そこまで社長さんがして下さったなんて…すごく有り難くて嬉しいです』


朋也さんがいきなり出て行くなんてことになって、怒ってないか心配だったけど、他人がそんなこと心配するまでも無かったね。


2人は、深い信頼関係で結ばれた親子だもん。


素敵な関係だな。


『笠井さん、次を右に。そのあと、道なり』


『かしこまりました』


丁寧な運転だ。


『森咲様。どうぞ、これからも朋也様のこと、よろしくお願い致します。朋也様は、本当に素晴らしい方です。私も、森咲様のような素敵なお嬢様が朋也様のお相手で、大変嬉しい限りです』


『あ、いえ、私は…』


なんて言ったらいいのかわからなかった。