「でもさぁー石栗って性格そんな悪くないよね?」


ズキっと心が痛むのがわかったのか、急に胸が苦しくなってきた。


「う、うん……」


「やっぱねぇ〜私さぁ〜絶対七海が石栗の事好きじゃなかったら今頃好きになってるかも?」


ガタン!!!


ショックの余り、座っている場所から思いっきり立ってしまった。


「どうしたの?」


「ちょっとトイレ」


言い訳を作り、走って廊下を駆けた。


人をよけながらも必死に全力で走る。


手を思いっきり握りながら……。