怪しい雲。
さっきっからおかしい、自分の鼓動。
「七海!!俺寝るから、先生きたら起こせよー!」
私の頭の中によぎった声は進だった。
「わかった」
そっけない言葉を返し、また空を見始める。
私は空が好きだ。
何かあると空をみる。
すると、一匹の鳥が電柱の所にいた。
もう一匹も隣にきて一緒に会話しているようだ。
その二匹は、何個かの羽を残して旅立っていった。
この光景を見て思う。
私と進の関係って何なんだろう?
この鳥のように、うまくいかないのか。
早く、一刻も早く進を振り向かせたい。
その想いがとても強がった。