「ちゃんと僕だけ見てればいいのに」


身体が少し離されて、目が合ったのは一瞬。

下からすくい上げるように、唇を塞がれた。


「……んぅ……っ」


甘すぎるキスについていけなくて、すぐに息が苦しくなる。


「……苦しい?」


「ん……」


唇を少し離してくれたおかげで、酸素を取り込むことができた。

だけど、一度しか息を吸えなくて。



「……はい、もういっかい」


「んんっ……」


今度は深く、いろんな角度からキスをしてくる。

キスをしている間、依生くんの手はわたしの頬に触れたり、首筋に触れたり。


またすぐに苦しくなって、離れるために身体を少し後ろに下げようとしたのに。



「ダーメ、逃げないの」


腰のあたりに腕が回ってきて、グッと引き寄せられて、離れることを許してくれない。


「も……う、くるしい……よ」


唇を塞がれたまま、必死に言葉をつないで訴える。


すると、やっと止まってくれて。



「……こんなんじゃ足りないのに。
もっと長いのしたい」